私事ではあるが、先日胃腸炎になった。
寄せては返す波のような鈍痛と地震のようにやってくる大腸がよじれるような痛みで苦しみに苦しんだ。
さらに、不幸なことに胃腸炎の間どうしても外すことのできない仕事があり、休みを取ることができなかった。というか連勤に連勤を重ね、残業に残業を重ねていた。
ただ、胃腸はそんなこと関係なしに爆ぜるように痛んだり、よじれたり。無宗教の私であるが、気づいたら、お腹が痛すぎて職場のトイレで「どうか、腹痛止んでください。今、腹痛が止むのであればもう悪いことはしません。誰彼構わず優しくなります。自分が思いつく限りの善行を積みます。ですから、お腹を...」と祈っていた。そんな奇行に走るくらい痛かったのである。
腹は痛い。だが、仕事はやらなければならない、どうするか。
医者から言われたのは、固形物を食べるとお腹に負担がかかるので食べるなら負担の少ないゼリーがよいとのこと。
結果、固形物を食べなければ痛みが緩和されるのではということで、3日間をウイダーで過ごすこととなった。
厳密に言えば、丸2日ほどウイダーのみで生活をして、そろそろ大丈夫だろうとセブンイレブンのうどんを食べたら、夜トイレに3時間ほど籠ることになり、それから眠ることができなかった。
そんなこんなで72時間ほど胃腸炎になって固形物を食べることができず、ウイダーで生活をすることとなった。
後半、腹痛が辛すぎて。食べることができない不満や苦しみよりも、そろそろ食べてもいいような気がするが食べてしまったらまた津波のような腹痛がくるのではないかという恐怖で全く食欲が湧かなかった。
リアルに「食べるのが怖い」という感覚は胃腸炎でもならない限り味わうことはないのではないのだろうか。
そんな、胃腸炎も治り。
抱えていた仕事も終わり。
お腹も身体も自由になった私が思ったことが1つある。
「ごほうび が 欲しい。」
どうか笑わないで欲しい。
だって頑張ったのだもの胃腸炎と仕事。大人だってごほうびが欲しいじゃない。笑
そんな時に出会った一冊がこちら
『ごほうび おひとり鮨』
鮨は「すし」と読みます。馬鹿な私は知らなかった。
この漫画ざっくり、言うと。
10年連れ添った彼氏とそろそろ結婚かなと思ったタイミングで一方的に振られ、癒しを求めて主人公が鮨を食べるというものである。
主人公の設定がドンマイすぎるが、この漫画描かれる鮨のごほうび感がハンパない。
この漫画を読んでいると頑張ったんだったら自分にごほうびをあげてもいいじゃないとなる。
ちなみに、お腹と仕事が落ち着いたのでこの漫画を読み、お鮨への気持ちを高め、回らないお鮨を食べてきた。
気づいたら、瞳がうるんでいた。
胃腸炎でまともな食生活を送ることができなかった後に、お鮨というごほうび感溢れるものを摂取したことで感情が決壊した結果のうるうるである。
正に、お鮨って、ごほうびって いいなと思わせてくれる一冊である。
世の中のお腹痛い系の人もしくは連勤に連勤を重ねている人に捧ぐ。